The Spare Times  〜人生のスキマ時間を愉しむ〜

バリキャリワーキングマザー、アラフォーにして主婦デビュー。 突然訪れた人生の隙間時間をゆるりと楽しみつつ、次のステップを模索しながら迷走する毎日。最近お仕事再開+ときどきタロット占い師。

ワーママを苦しめる長時間労働が減らない、身も蓋もない理由

前職は派遣さんを含めて9名いたマーケティングチームのメンバーの大半が連日21時、22時まで残業していて、休日出勤も多く、残業時間が100時間を超えている人の方が多いような職場だった。
代休の取得はOKだが有休の取得は極力控えるべきだという部門長のポリシーもあって、長時間労働に疲れ切って作業をこなすのに精一杯、という状況。

チーム全体で業務効率が悪く、不要な作業や調整に延々と時間を割き、時差のあるイギリスにある本社の意向がコロコロと変わるといちいちそれに振り回されては「時間をかけて作業を終わらせる」ことが常態化していたし、そういう風に動ける人が評価されていた。

月に3~4回の例外を除き会社で残業ができず(実際には夜中や早朝に家で仕事をしていたけれど)、保育園の行事や家庭の事情で有休を多く取得していた私は、上司からは「残業が多い他のチームメンバーに配慮できない、協調性のない人」という評価を下されていた。

 

どうやったって定時に一旦は仕事を切り上げて帰宅しなくてはならず、効率を上げること、そして時間内にベストな結果を出すことにこだわっていた私からすると、チームのメンバーには働き方が本当に非効率だという以外に「帰れない」理由が大きく2つあるように感じていた。

 

1つは残業をしたいわけでも必要なわけでもないけれど「上司が帰らないと帰れない雰囲気がある」「残業をしないと評価されない」という「残業をしないとマイナスになる」という理由
2つ目は、残業をなくすことはできるのだけれど、残業するなと言われても定時に会社を出てもすることがなくて途方にくれるからあえて残業を前提としたペースで仕事をするという「残業以外にすることがない」という理由

 

 

フルタイムで復帰して以来ずっと思っていた。
帰る理由がないから、あるいは帰るより残業している方が得だから/ラクだから、残業は減らないのだ。

 

本当に帰りたかったり、帰る理由があれば、人は残業なんてしないのだ。

 


残業が常態化している人は、退社することよりも残業することを選んでいる。
(いわゆるブラックな働き方が蔓延しているような職場は、これに当てはまらないけれど。)

 

って言うとけっこう「そんなことない、帰りたいけど帰れないんだ」って反論されるんだけど、「帰らない方が得」っていうのが実証されているデータが出ている記事を見つけた。

 

http://www.nikkei.com/content/pic/20160517/96958A9F889DE2E0E3E4E2E2E5E2E3E3E2E7E0E2E3E4E2E2E2E2E2E2-DSXZZO0216116011052016000000-PB1-8.jpg

 

 

出典:日経新聞

 

これはある大手メーカーの労働時間の長さと昇進確率の関係をグラフ化したもの。
残業した人の方が昇進する=得をするというのがこんなにも明確に出ていてビックリした。
日常的な残業が困難なワーキングマザーは、こんな会社にいたら絶対に昇進できない。

 

 

残業するかどうかは結局その人が選んでいる。
いつも残業している人は、残業したいから残業しているのだ。
残業がしたいのでなかったとしても、早い時間に退社することよりも残業することの方が得だったりラクだったりするから残業している。

 

この記事では、残業を減らすための方程式として認識されている方程式は次のようなものだと指摘している。

残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上

でもこれは方程式が間違っているというのだ 

だがこれは不完全で、正しい公式はこうなる。

残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上×社員の家に帰りたい気持ち 

 

「社員の家に帰りたい気持ち」…!!

 

記事の中に家に帰りたくなくて会社のルールの裏をかいてまで残業をする人、ノー残業デーに居場所難民になってファミレスで時間を潰す人などが登場する。

 

もうね、なんなんでしょうね、このアンバランス。
こっちは残業したくてもできずに定時ダッシュで退社して、夜中や明け方に家で仕事してるっていうのに。

 

www.nikkei.com

 

というわけで、とても興味深い記事でした。

ワークライフバランス(っていう言葉は誤解も多いしあんまり好きじゃないんだけど)は私の中でずっと考えて行きたいキーワードの一つなので、今後もちょこちょこと考えたことを文字に落としてみようかなと思っています。