The Spare Times  〜人生のスキマ時間を愉しむ〜

バリキャリワーキングマザー、アラフォーにして主婦デビュー。 突然訪れた人生の隙間時間をゆるりと楽しみつつ、次のステップを模索しながら迷走する毎日。最近お仕事再開+ときどきタロット占い師。

大人になる、自由になる

不自由な子どもたち、自由な大人たちで、子どもってものすごく不自由な生き物だと書いたのだけれど、ではその不自由な存在である子どもたちが自由を手に入れていく過程をサポートする上で、親である私は何ができるのかなぁと考えたりします。


Portrait of Lotte, 0 to 14 years in 4 min.

 

特にここ1年は1号の小学校受験にチャレンジしてみたり、実際に小学校に上がって教育の現場に触れる機会があったりして、より差し迫った課題としてこのことが感じられてきています。

気がつくとあっという間に大きくなっちゃうんだもん、子供。

 

 

自由な大人になるためには、自分が自由な存在であることを自覚している必要があります。

逆に、一定の価値観に縛られたりしちゃうと、せっかく自由なはずの存在を自ら檻の中に閉じ込めて不自由にしてしまう。そして他人も檻に閉じ込めようとしてしまう。

 

とすると、鍵は多様な価値観に触れることかな、と思うのです。

 

私は幼稚園に入る前に父の駐在でオーストラリアにいて、なんとなーくですが「この世界には見た目が違って、英語という未知の言葉を話す人がいるらしい」というのを感じていました。

小学校高学年から中学までアメリカで過ごして、多様な人種が集う学校生活を通じて日本という国を外から眺める機会を得ると同時に、いろんな人種が集う現地の学校で強烈に日本人である自分のアイデンティティを意識させられたりもしました。

高校は帰国子女ばっかり集まる少し変わった学校で、人生のほとんどを国外で過ごした人もいれば海外に出たこともない人もいたりして、進学先も日本の大学に行く人もいるけれど海外に出て行く人もたくさんいて、進路は人の数だけあるんだなーなんて思ったりしました。

社会人になっても世界中に展開している外資系のIT企業で働いた時には、猛烈なインドなまりで弾丸トークするイギリス拠点の同僚とか、会社に赤ちゃん連れて出勤してるパパ社員とか、働くっていうことに対する既成概念を吹っ飛ばしてくれるような出会いを山のように経験させてもらいました。

 

そうやって色々な生きた価値観に触れることで、私の自由度はぐんと上がったと思っています。

だからやっぱり、出来るだけ振り幅の広い出会いや経験を通じて、生きた多様な価値観に触れさせたいな、というのが漠然と思い描いている教育方針。

 

 

ただ、いろんな価値観に触れた時に「あの人は特別だから」と例外扱いして価値観を受け入れることを拒否してしまったり、「どうせ自分にはできないから」と拗ねてしまうと、自由を手にいれるどころかどんどん檻を狭めてしまうことになります。

なので、未知の価値観に出会った時に「あれもありなんだ」と受け止めて、受け入れることのできる心のあり方というのも日頃から鍛えておきたいなぁ、と思います。

 

 

生の価値観に触れる以外に世界を広げてくれるとても有効なツールとして、読書があります。

 

私は中学生の時には年間500冊の本を読んでいた活字中毒で、とにかく片時も本を手放さずに家にある活字を片っ端から読みあさっていた時期がありました。

児童向けの岩波少年少女文庫みたいなものから、父の書斎にあったビジネス書、たまに日本から送られてくる週刊誌や、ニューヨークから数日遅れで届く日経新聞、おばあちゃんに送ってもらっていた月刊のマンガ雑誌は欄外に小さく印刷されているひとことコラムみたいなものまで漏らさず読んでたっけなぁ…

とにかく日本語に飢えていた事もあって、日本語が書いてあるものなら内容を選ばずに片っ端から読んでいた記憶があります。

500冊の内訳は圧倒的に赤川次郎と当時はまっていたティーンズ向けのX文庫(折原みととか!懐かしい!)ではあったけれど、とはいえこの圧倒的な読書量はそれなりの振り幅を伴っていたので様々な価値観や知識や経験を活字を通して追体験させてくれたのでした。

f:id:maisonnaoko:20160520141323j:plain

 

実際に体験できることには限りがあるけれど、本が連れて行ってくれる世界はより広く、実際には存在しない世界にだって行くことができます。

実際の体験が価値観の理解に深さをあたえてくれるものだとしたら、活字を通して出会う世界は価値観をぐんと広げてくれるもの。

 

 

自由な大人になるために、子供たちにはぜひ実際の体験や読書や、もしかしてこれからはインターネットなんかを通じて色々な価値観に出会って欲しいなぁと思います。

そしていろんな価値観に出会っていく子供たちを後押しできるように、自分自身ももっともっといろんな出会いをしていくぞー!