「俺はあてにされてない」〜頼って欲しい男たちに、妻はもっと素直に頼ろう!
最近のハマり海外ドラマは甘イケメン元詐欺師のニールと、渋イケメンFBI捜査官のバークのコンビが活躍する『ホワイトカラー』。
Huluでシーズン6まで、全81エピソードも見られるので当分デレデレとイケメンに見惚れていられてハッピーです。
昨日見たシーズン2エピソード14の中に登場したセリフが個人的にものすごくツボだったので、紹介して掘り下げてみたいと思います。
何がツボだったかというと、家事分担についての私の夫への不満を、全く違う視点から捉え直すきっかけをくれたから。
ストーリーはこんな感じです。
FBI捜査官のバークと、イベント企画会社を経営する妻エリザベス。
朝、出勤前の慌ただしさの中で、バークは昨日自分のジャケットをクリーニングからピックアップしてくるのを忘れていたことに気がつきます。そして、妻がバークがピックアップしたかどうかを確認するまでもなくピックアップをしてきてくれていたことにも気づき、「夫として失格だよ。最低だ」と落ち込み、エリザベスに八つ当たりをしてしまいます。
気まずいムードのまま、二人はそれぞれ出勤。
まあ、よくある朝の風景かもしれない。
そのあとバークは相棒ニールにイライラしていることを指摘され、今朝の出来事を打ち明けます。
ドライクリーニングを取ってくるのを忘れたくらいでケンカしたと打ち明けられ、ニールは「それだけ?」と拍子抜けするのですが、それに対してバークが放った一言。
「俺はあてにされていない」
!!
「俺はあてにされていない」
!!!!
バークにとって、妻に頼ってもらえないということはものすごく不甲斐なく、モチベーションが下がり、ふてくされて八つ当たりしてしまうようなことだったのです!!!!
ブログの最後にセリフをそのまま書き起こしてみたものを貼り付けておくのでぜひ読んでみていただきたいのですが、私個人的にはここ数日の夫とのやりとりを思い出して膝を打つ思いでした。
(英語と日本語では、字数制限もあってニュアンスがけっこう違っているのですが、その違いもまた興味深いです。)
エリザベスはバークを責めるでもなじるでもなく「自分でやった方が早いし」とさらりと言いますが、これがまたバークを苛立たせる。
「俺は頼りにされていない!」と。
私にも思い当たることがあります。
連日仕事で深夜に帰宅してくるダンナ様が、家が散らかっていたら嫌だろうなぁ、落ち着かないだろうなぁ、と思ってお皿は全部洗い、シンクを磨き、お風呂場の水を切り、私が出来る限り掃除と片付けを済ませておくようにしていました。
実際、たまにお皿をシンクに放置したままにしておいても朝になったら洗われていることもなかったし、食洗機に放り込んだまま回すの忘れてたりすると「臭くなるからちゃんとスイッチ入れてよ」と注意されたりしてたので、「やっぱり私が全部きちんとやらなくちゃ!」と思っていたのです。
でも、「この先復職した場合、いまのままの家事分担で行くと私は壊れる!」とダンナ様に泣きつきまして、家事育児タスクリストを渡して家事分担を考え直してもらうよう一緒に話し合いを始めたんですね。
そうしたらダンナ様はタスクリストとにらめっこしながら「どうやったらもっと家事をする時間を捻出できるか」「どのタスクなら無理なく分担できるか」を自分から考えて、行動に移してくれ始めたのです。
(この辺りの詳しい話はまた改めて紹介したいと思います。)
今まで私は勝手に「ダンナ様は家事はしたくないんだ。私が全部やらないといけないんだ。どうしてもはみ出してしまうものだけ、頼んでやってもらえたら御の字だ」と思い込んでいました。
でも話し合ってみるとダンナ様の思いとしては「家事の分担を増やしたいと思っているけれど、今は全部回してくれちゃっているのでどこから手をつけて良いか、手順やルールがどうなっているのかさっぱり分からない。分からないでやると手順やルールを無視してしまうことになりそうで、かえって余計な手間やストレスを増やすんじゃないかと思って手出しができない」というのがあるということが分かりました。
そしてね、ダンナ様もね
「頼ってもらえて嬉しい」
「今まで全部やってもらっていて申し訳ないと思ってた」
って言ってくれたんですよ!!!!
女性だって頼られたら嬉しい。
仕事の場面でも「ありがとう」と言ってもらえることが最大のモチベーションだという女性は多いと思います。
男性の方が出世とか給料アップとか目に見える実利的な効果で動きがちだと思っていましたが、男性だって頼られたら素直に嬉しいんですよね。
このドラマで登場したやりとりでは、二つの発見がありました。
- 夫は妻の力になりたい思っているし、もっと言うと頼りにされたいと思っている
- 夫は頼りにされないと、勝手に落ち込んだり怒ったりする
もちろん例外もあるでしょうが、積極的に共働きを選択している夫婦であればある程度は当てはまるんじゃないかなーと、願望も込めて思います。
妻たちよ、もっと夫に頼ろう!
最後に、ドラマのセリフを引用して終わります。
バーク:ストライプのジャケットを知らない? / El, have you seen my jacket? The blue pinstripe
エル:ここにあるわ / Yeah, I've got it
バーク:そうか / Yeah.
エル:これよね / Is it this one?
バーク:ああ / Yeah...
(忙しそうに出かける準備をしているエルを見て)
バーク:ゆうべクリーニングを取ってくるのを忘れた。申し訳ない / You have a meeting today, I was supposed to pick up the dry cleaning last night. I'm so sorry
エル:気にしないで / Honey, it's OK. I've got it.
バーク:まったく・・・最初から私が忘れると思ってたのか? / Wait a minute. You never called to remind me. Did you assume I'd forget?
エル:忙しそうでしょ / I know you had a lot on your mind.
バーク:でも夫として失格だよ / Yeah, but I don't want to be the husband that forgets to pick up the dry cleaning.
エル:いいのよ / That's sweet.
バーク:最低だな / But I am.
エル:私は別に怒ってないわ / Relax, okay? I'm not mad.
この後エルは「自分でやった方が早かったし」と言い、バークはそのことにも腹を立ててしまいます。「こんなことで喧嘩をしたくない」と言うエルに対し、バークは「俺もだ」と言いながらも気持ちを落ち着けられずに、なんとなく気まずいムードのまま二人は家を出ます。
バークは自分に落ち度があったのにそれを責めない妻に対して、立場ない気持ちになったんでしょうね…
その後、出勤して相棒のニールにイライラしていることを指摘されたバークとニールのやりとり。
ニール:どうした? / What’s going on?
バーク:別に / Nothing
ニール:皮肉を言う時はイライラしている証拠だ / Oh, come on. Your sarcasm goes up in direct proportion to your stress level.
バーク:クリーニングの件でケンカを / It's Eliazabeth. I forgot to pick up the dry cleaning.
ニール:それだけ? / Well, it happens.
バーク:今回だけじゃない。とうとう私に確認もせず妻が取りに行った / Apparently, all the time. I've become the guy who forgets to do it so often that she had to pick it up without even asking me if I got it.
ニール:怒られた? / She was angry?
バーク:いや / No.
ニール:ならいい / And that's bad?
バーク:私はあてにされてない / Yes. I'm a constant disappointment.
ニール:言われた? / She said that?
バーク:態度でわかる / Implied.
ニール:いとおしく思われてるよ / Maybe she finds your forgetfullness endearing.
バーク:私の忘れっぽさが? しかも今朝私はまともに挨拶しなかった/ I don't want her to find my forgetfulness endearing. And the worst part is, when she left this morning, I didn't fall her "hon."
ニール:別にケンカってほどでも・・・ / Have you ever seen an actual fight? Beacuse---
バーク:我々夫婦の決まりなんだ。結婚当初は”愛してるよ”って必ず言ってたんだ。でも今は”やあ”だけ / It's our own little abbreviation for saying, "I love you." When we first got married, I used to say, "I love you, honey". Then it became "love you, honey", then "honey". Now all we need to say is, "hon".
ニール:効率的だね / Very efficient.
バーク:それすら言わなかった / Point is, I didn't say it.
ニール:じゃあ今から電話して留守電に残す。どう? / Look, call her, leave her a voice mail, and say "hon" before you hang up. Did I miss anything?
バーク:これが終わったらかける / No. I'll call her as soon as we're done here.
バークは「そっか、そうすればいいんだな」とばかりにニンマリと笑顔を取り戻し、一仕事終えてエリザベスに電話するのを楽しみにしながら現場に向かいます。
頼りにされていないことをずっと引きずってふてくされているバークは最高にめんどくさいけどこんなに単純に気を取り直すバークは最高にかわいい。
日本では職場で家庭のことをオープンに話す雰囲気は無いかもしれませんが、こうやって気軽に些細な悩み事や愚痴を言える相手がいるって、幸せですね。