フリーランス1年目の振り返り(超自分視点)
一昨年の秋ごろに個人事業主の開業届を出し、業務委託で約1年半ほどお仕事を再開してました。
フリーランスとしての覚悟を決めきれないまま、フルタイム週5の業務委託として1年半ほどご一緒させていただきましたが、契約が終わり、今またポッカリと人生の隙間時間が訪れています。
業務委託という契約形態ながら、最終的には部下7名のマネージャーとして、決裁権や人事権も預けていただいてチームを統括し、シニアマネージャーという肩書で積極的に新しいビジネス上の試みやチーム作りなどなどさまざまなチャレンジをさせていただきました。
度量の大きな社長さんに、どーんと信頼いただいて任せていただいたことにただただ感謝です。
が、最後の方は「これが本当に自分がやりたいこと(スタイル)だっけ?」という私の中での疑問が大きくなって無視できなくなったことと、会社側も「これは対価に見合った、会社として出してほしいアウトプットなのか」というところで私が認識していたポイントとのズレが生じてしまい、お互いに整理をするためにも一旦契約を終了することとなりました。
せっかくなので、はじめてのフリーランスとしてガムシャラに走り抜けた1年半を、少し冷静さを取り戻した今、振り返っておこうかなと思います。
超個人的な振り返り故、長いです。
覚悟不足だった「成り行きフリーランス」
そもそも私がフリーランスとしての第一歩を踏み出した時、明確な目的意識や覚悟があったわけではありませんでした。
いわゆる「小1の壁」にぶつかって退職を選んだ後、「このままフルタイムの会社員で、時間と場所に制約がある働き方は厳しそうだなぁ」と漠然と思っていたところではありましたが、明確にフリーランスを指向していたわけでもなかった気がします。
業務委託先は、たまたま正社員の求人があったので応募してみたところ「条件的に社員だと折り合わないが業務委託なら」とオファーをいただき2か月のトライアルから始まりました。完全成り行きスタートでした。
ゆえに、フリーランスとしてどういった働き方を求めるのか、どの程度の収入を得たいのか、といった基本的な部分が、フルタイム正社員時代からアップデートされないままなんちゃってフリーランスとして歩み始めてしまった。
勤務時間や報酬などの条件交渉も、なんとなく正社員時代をベースに決めてました。
徐々に強まった「コレジャナイ」感を解消できないまま…
「こうありたい」というイメージがないので、求められるままに業務を遂行しながらも、周囲に独立や起業をする人が増えてきたので話を聞いたりアドバイスもらったりするうちに「これは違うな」「こっちじゃないな」という試行錯誤を自分なりに積み重ねました。
ただ、「これだ!」というものに出会うというよりは、「コレジャナイ」にぶつかっては軌道修正する方が多かった気がします。
とはいえ、早々にチームを預かる身になってしまったがゆえに、チームを育てて結果を出すというプレッシャーを常に感じていました。自分自身の働き方を軌道修正することを諦めて目の前の業務に邁進せざるを得ない場面もあり、徐々にフラストレーションがたまっていってしまいました。
フリーランスこそ、すり合わせはこまめに、念を入れて
「クライアントが何を求めているのか」「対価は具体的にどういうアウトプットに対して支払われるのか」ということを、仕事を依頼する方とされる方が双方しっかりと確認しておくことは、フリーランスとして独立する際のいろはのいです。(と、いろんな本やサイトに書いてあります。)
にもかかわらず、なんちゃってフリーランスとしてスタートしてしまった私はここの意識が薄く、自分に何が求められているのかという確認を怠ってしまっていました。
当初は上司(と言っていいのかな?)でもある社長と色々と話して、お互いにすり合わせが出来たと思ってのスタートでした。
でもビジネス環境って変わりますよね。環境が変われば求められることも当然変わるわけで、その変化のタイミングでのアップデートがうまくできなかったんですね。
クライアントである上司にくらいついて、自分から「これで大丈夫ですか?」という確認をせず、「いや聞いてないし…」と先方からインプットしてくれることに甘えていたことは大いに反省しています。
クライアントと対等な関係でいるために
もう一つ厄介だったのが、最初社員採用の面接を受けていたこともあり、直属の上司にあたる社長に対して上下関係を強く意識してしまったことでした。
本来、業務委託でフリーランスなので、お互いに合意した業務を遂行して成果を納品物として納め、納品物に対して対価をいただく、という意味では割とフラットで対等な関係なんじゃないかなと思います。
でも私はいわゆる普通の上司部下という関係の意識のまま、コミュニケーションも上司部下を想定した「無難な」形へとどんどん小さく収まっていってしまいました。
また、会社の中にどっぷりと常駐してチームを抱え、部門長会議にもレギュラーメンバーとして参加していたので、下手に台所事情が見えてしまい、「今はこれやるの難しいですよね…」とか「個人的には今すごく必要だと思うのですが、会社として優先順位があげられないというのであればこのプロジェクトは後回しにしていただいた方が良いかもしれませんね」みたいな奥歯にものが挟まったような意見が増えていってしまいました。
完全に外の人としてアドバイザー役で入っている方が何人かいたのですが、この方たちは台所事情には理解を示しつつ、ズバズバとその時に必要なアドバイスをし、目指すべき姿を遠慮せずにぶつけていました。
社内のメンバーはその勢いについていけずに完全萎縮。
それを間近で見てしまっていたのでなおさら、なぜか私がバランスを取ろうとして遠慮がちになっていってしまったというのもありました。
クライアントと対等な立場で、公平で、ちょっとだけストレッチなゴールを共に目指すために、どうするのが正解だったのかまだ分かりません。
どこまで自分がタスクをやる人になるのか
それでも新しいチャレンジをいくつも仕掛けたので、業務量は常に多くてあふれ気味でした。
チームの残業代が増えることも避けなくてはならなかったので自分自身で細かいタスクまで引き受けまくって埋没していった、というのも、全体的かつ中長期の視野で見て、仕掛けていくということが難しくなってしまった要因だと反省しています。
ただ、戦略コンサルみたいな、ヒアリングしてペーパーまとめて、社員を巻き込んだ風なワークショップをちょっとやってみる、みたいなのは実際どの程度その企業に貢献できるものなのか。
個人的にはこういうのって一過性で、最終的には中の人がしっかり意識改革しながら覚悟を決めて推進してかないとどうしようもないと思ってるので、自分もタスクを引き受けてメンバーと同じ土俵に立ちつつ、外からの風をいかに入れていくかという匙加減がポイントになっていくんだろうなと思っています。
まだその匙加減がどういう塩梅なのかは模索中ですが。
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と、なんかいろいろと思いつくままに振り返ってみました。
一つだけ、次に向けて心に強く刻まれたのは、次に選択肢があるのであれば「フルタイムで会社に常駐する業務委託より、フレックス在宅勤務OKの正社員を選ぶ」ということです。
フリーラスの社会的な立場の弱さ、保険や税金手続きの煩雑さは半端ないです。
事務手続きが大の苦手で、安定した環境にいないとすぐ不安でぺちゃんこになってしまう自分がこの先フリーランスを続けられるのか、かなり自信喪失しました。
子供の夏休みが始まってしまったので、とりあえずは夏休みを子供と過ごし、秋以降にちゃんと仕事を再開したいと思っています。
さて、どうなることやら。