『視えるんです』伊藤三巳華〜視える人の世界を垣間見る
視えている人は世界がどう見えているのか気になって、それ系の本を見かけるとつい手に取ってしまう。
図書館で発見したこのマンガも3巻一気読み。
この人はガチな実話ホラーマンガを描いている漫画家さんだそうで、禍々しいタッチのオカルトマンガの傍で幽霊が見える日常をふんわり面白おかしく描いたエッセイマンガを描かれています。
『視えるんです』はそっちのふんわりエッセイ。(でもエピソードは結構本格的に怖い。怖くて想像力を働かせてしまうと確実によるトイレに行けなくなる。)
私はいわゆる”幽霊”は全然視えない。
視えないことはないけど、姿形がはっきり見えて怖い思いをすることはなくて、「この場所には絶対近寄りたくない」「こっから先は行ってはダメだ」「この部屋なんかいる!!!」という感覚が分かるだけ。あとは感情というのか怨念というのか、そういうものがモヤっとした色や形を伴って視える時があるくらい。
でもこの方はハッキリくっきりと幽霊の姿形が見えてるらしい。
姿形が見えるだけでなく、話しかけられたり、ラップ音がしたり、現実と区別つかないくらいのレベルで様々な霊と日常を共にしているらしい。
どーいう生活なんだろーーーーーー?!
興味深いのが、特に最初の頃は「いや視えているのかもしれないけど、単なる私の妄想かもしれないし」と、自分に見えているものをどう捉えて良いのか、あと見えていることを素直にカミングアウトして良いものなのか迷っている感じがあるところ。
そこ、超共感します。
だって「視えるんです」って言ったら変な人と思われるに決まってるじゃんかー。
もうひとつ面白いなと思ったのが、彼女は幽霊とか生き霊とか”禍々しい”ものばっかり見えちゃうらしいのだけど、彼女のお友達のスピリチュアルヒーラーさんは神様とか天使的なものが中心に視えるらしい。いわく”黒系”と”白系”。
なのでこれ読んで、私は白系なんだなーというのを再認識。
人についているものも、ご先祖様みたいな守護霊は視えないけどちょっとした守り神みたいなのは視える。…気がする。妄想かもしれないけど。
視える人も視えない人も、信じる人も信じない人も楽しめるマンガだと思います。
終わりゆく夏、このマンガを読めば、涼しくなってきた夜をさらに涼しく過ごせるかもよ?